第二章 アイテムをそろえよう

 必要な切符類

 1、公共交通機関
 公共交通機関を利用するには、所定の運賃を支払わなければならない。これは常識。ですが、その交通機関の提供するサービスの種類が増えると、運賃体系が複雑になる場合もあり、これが公共交通機関の利用を厄介にすることもあります。
 ここでは、鉄道旅行者にとって最も利用頻度が高い、JRについて扱います。
 JRの旅客列車は、速度別で普通、快速、急行、特別急行(特急)、新幹線に、車内設備で普通席、グリーン席、B寝台、A寝台に別れ、さらに普通席とグリーン席は自由席と指定席とに分かれます(寝台は全て指定なので、指定席券を別買いする必要はありません)。当然ながら、列車の種別と利用する設備に応じた切符が必要です。
 では、その内容はどうなっているのでしょうか。
 まず、種別に応じた切符として、急行券、特急券、新幹線特急券があります。急行券は急行列車に乗る時に、特急券は特別急行列車に乗る時に、新幹線特急券は新幹線に乗る時に使います。
 次に車内設備に応じた切符として、グリーン券、B寝台券、A寝台券、指定席券があります。グリーン券はグリーン車に乗るために必要ですが、普通列車用と急行・特急列車用では、料金が異なります(もちろん急行・特急列車用の方が、値段が高くなります)。
 B寝台券はB寝台に、A寝台券はA寝台に乗るのに必要です。B寝台よりもA寝台の方がランクが高い(つまり設備が良い)ので、当然値段もA寝台の方が高くなっています。ですが、そもそも寝台には解放式から個室まで様々な種類があるので、値段もいろいろです。
 指定席券は、当然指定席を利用する時に必要です。指定席券を持っていれば確実に座れるので、同じ列車を何時間も利用する時や、途中駅からの乗車に便利です。なお、特急券と新幹線特急券には自由席用と指定席用があるので、指定席を利用する時には指定席用を購入しましょう(ちなみに寝台特急を利用する時は、寝台券と特急券を一緒に購入しましょう)。
 そして忘れてはいけないのが、普通乗車券です。普通乗車券がないと、列車そのものに乗ることが出来ません。名称に『普通』とついていますが、新幹線や特急、急行に乗るときもこの乗車券を使うので、乗車駅から下車駅までの通しの乗車券を買います。片道601km以上の同一区間を同一経路で往復する場合には、往復割引が適応され、行き・帰りの運賃がそれぞれ1割引になります。往復乗車券を買いましょう(現地での滞在期間が長い時は、乗車券の有効期限に御注意を。詳しくは駅員に尋ねましょう)。
 まぁ、今書いたことは、皆さんはもちろん知っていますよね。でも、時々いるんです。JRの運賃体系をよく知らない人が。

 JRの切符類は、利用する列車が発車する日の1ヶ月前、午前10時から全国一斉発売となります。例えば8月31日分の切符は、7月31日午前10時に発売開始となります。ただし前月に同日がないときは、当月の1日午前10時からの発売になります(例えば、3月31日分の切符は、3月1日に発売開始)。JR駅のみどりの窓口の他、旅行センターでも購入できます。ただし、JR以外のところで購入した場合は、手数料を取られることがあります。

 詳しいことは、全国版時刻表の後ろの方に書いてあります(大判時刻表なら、ピンク色のページ)。切符を買う前に、一度目を通しておきましょう。計画によっては、トクトクきっぷなど、お得な切符が使えることがあります。

 ハイウェイバスや船を利用する人は、大判時刻表のそのページを見てみましょう。あなたの利用するバスや船に、『予約制』とか、『全席指定』などという文字が書いてありませんか?もし書いてあったなら、JRの切符と一緒に予約してしまいましょう。予約すると、運賃と引き換えに、切符かクーポン券を渡されます。クーポン券は基本的に、切符と同じ使い方をします。ただし、一昼夜をかけて航行するような長距離のフェリーは、乗船名簿を作成しなければならないので、当日、所定の時間までにフェリーターミナルでチェックインしなければならないことがあります。早めの到着を心がけましょう。

 2、宿屋
 第一章では3種類の宿屋について述べ、切符と一緒に予約することを勧めました。
 みどりの窓口や旅行センターで宿屋を予約すると、やはり宿泊料金+手数料と引き換えに、クーポン券が渡されます。クーポン券は、宿屋のチェックインの時にフロントに渡します。なお、宿屋のクーポン券には旅行者の名前がしっかりと書かれています。譲渡や転売はトラブルの元になりかねないので、やめましょう。

 旅行センターなどで扱っていない宿屋もあります。その時は自分で、その宿屋に直接電話をして予約しましょう。宿泊券やクーポン券は送られてきませんが、あなたの電話番号と名前が予約の証明書代わりになるので、心配はありません。
 宿泊代は、もちろん宿屋に着いてから支払います。
 
 以上、必要な切符類についてうんちくを述べました。もちろん、皆さんはここで述べたことくらいは知っていますよね。では、JRの切符について一覧表にしてみましたので、各自チェックしましょう。買い忘れた切符はありませんか?

種 別







普通乗車券
急行券
 

 

 

 
特急券
 

 

 

 
新幹線特急券
 

 

 

 

車内設備  普通車 グリーン車 B寝台車 A寝台車
自由席 指定席 自由席 指定席
指定席券
 
 
 
 
 

 
グリーン券
 

 
   
 

 
B寝台券
 

 

 

 
  ●
 
A寝台券
 

 

 

 

 
  ●  


 3、指定席券獲得作戦
 指定席券は、発売当日の午前10時に買いに行けばほぼ確実に手に入るのですが、現実には、発売当日は都合が悪く、後日買いに行くというパターンがほとんどだと思います。しばしば満席になるムーンライトシリーズの快速でも、乗車2週間前くらいまでに買いに行けば、かなり高い格率で指定席券が手に入ります。
 しかし、指定席券の取りにくい列車の場合には、発売と当時に売り切れ、なんてこともあります。具体的な例では、寝台特急のカシオペア、ゴールデンウィーク時のトワイライトエクスプレス、青春18きっぷシーズン(それもコミックマーケット開催期間中)のムーンライトながら、お盆の頃のムーンライト九州などです。
 ところがそれらの列車には自由席がないことが多く、しかも旅のメインになったり、予定通りに目的を達成するためのキーマンだったりします。ですから満席でもなかなか諦められません。では、どのようにすれば本当に諦めずに済むのでしょうか。
 まず一般的によく使われている方法として、キャンセル待ちがあります。キャンセル待ちと言えば、出発当日に空港で大勢の人がキャンセル待ちをする、あの帰省ラッシュの様子を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし鉄道旅行は乗り継ぎを頻繁に行うため、途中1つでも乗れない列車があれば、計画はたいてい台無しになります。日程の変更も容易ではありませんから、バックアップの列車がない限り、当日のキャンセル待ちはやめた方がいいでしょう。では、どのタイミングでキャンセル待ちをしたらよいのでしょうか。
 私の経験では、上りのムーンライトながらの指定席券を発売当日に買いに行ったところ、満席になっていたので、3日くらい経ってからもう一度買いに行きました。すると、何とか指定席券を入手できました。ですから、発売日に満席だったときは、その数日後に再び指定席券を買いに行ってみるといいようです。

 発売日の数日後に買いに行って、満席だった場合には、遅くても出発1週間前までにはキャンセル待ちを済ませましょう。なぜ一週間余裕を持つのかというと、別ルートでの行程を考えるためです。例えば普通・快速列車で東京から鹿児島へ行くのに、ムーンライト九州の指定席券がとれなかった場合、ムーンライト山陽で下関へ行き、下関から小倉、日豊本線経由で鹿児島へ行くルートがあります。ムーンライト山陽の指定席券もダメなら、昼間、東海道・山陽本線をひたすら進む。この方法でも、頑張れば新山口のあたりまでは行けます。そこから先は翌日進みましょう。
 


 鉄ちゃんの必須アイテム、青春18きっぷの話
 
1、青春18きっぷの概要
 『普通・快速列車の普通車に1日乗り放題』が5回分セットになった、お得な切符。それが青春18きっぷです。学校の春休み、夏休み、冬休みのシーズンに発売される切符でして、値段は11500円です。
 青春18きっぷに印刷されている「1回」とは、1日のことで、東京や大阪では始発列車から終電まで、それ以外の場所や夜行列車では午前0時を過ぎて最初に停車する駅まで有効です。ですから、乗車駅からそこまでの普通運賃が青春18きっぷ1回分あたりの料金(2300円)より安い場合、青春18きっぷを2回分使うより、普通乗車券と組み合わせて使う方が経済的です。

 発売期間は、春が2月20日〜3月31日までの発売で3月1日〜4月10日まで有効。夏は7月20日〜8月31日までの発売で9月10日まで有効。冬は12月10日〜1月10日までの発売で1月20日まで有効です(シーズンや年によっては変更される場合もあり得るので、事前に確認しましょう)。
 指定券を別買いすれば、青春18きっぷでも快速列車の普通車の指定席を利用できます。

 2、青春18きっぷの歴史
 青春18きっぷは、1982年春に登場しました。当時は『青春18のびのびきっぷ』という名前で、1日券4枚と2日券1枚の構成で10000円でした。翌年の2月から1日券5枚の構成となり、現在の名前に変更になりました。無記名式で各券片を別々に利用できたため、友人と分け合うこともできました。最終時の値段は11300円です。
 1枚に5回分が印刷される現在の形になったのは、1996年春からです。もちろん切り離しは出来ないので、友人と分け合うことは出来ません。一枚の券を友人と利用する時は、必ず同じ行程で動かなければなりません。値段は、当初は11300円でしたが、消費税率のアップで、11500円、つまり現在の値段になりました。
 
 青春18きっぷには年齢制限がありません。ですから100歳の方でも使えます。とにかく便利な切符ですので、大いに利用しましょう。


 服はきちんと選びましょう
 『服はきちんと選びましょう』なんて、なぜあえてこんなことを書くのか。皆さんは疑問に思ったでしょう。服装は個人の自由だ、と主張する御仁もおられるでしょう。しかりごもっともです。ですが、鉄道旅行はかなりの長期戦ですし、乗り換えは時としてスポーツ大会に変身してしまうこともあります。ですからそれらが快適になるよう、ある程度は工夫しておかないと、身が持たないのも事実です。
 そこで、ここでは服装の工夫について扱おう、というわけです。

 1、列車の車内と車外は、気温差が大きい
 これは夏と冬によくあることでして、冬の車内は暖房の効きすぎで暑く、逆に夏の車内は、冷房がガンガンに効いています。特に冬の車内の暑さはキツイですよ。私が春休みに北海道に行ったとき(北海道ですからね。最高気温はまだ一桁です)、キハ40の普通列車に乗ったのですが、車内があまりにも暑かったので、Tシャツ一枚で過ごしました。それでもしっとりと汗ばんでくるので、最後には窓を開けて外気を入れました。
 ですから、気温の変化に柔軟に対応できるような服装にしましょう。冬なら、真冬の姿から真夏の姿に素早く切り替えできるような服装が最高です。脱衣、着衣が素早くできると、下車の準備だけでなく、宿屋での出発準備が早くできるので、時間の節約→余裕の拡大になります。トレーナーなどを選ぶといいです。
 反対に夏は、車内の冷房が寒いという人なら、バスタオルを持っていくことをお勧めします。席に座ったら、毛布のようにそのタオルをかけます。
 なお、女性の場合、露出の多い服や体の線が出てしまう服は避けた方がいいです。スカートではなく、ズボンの着用を推奨します。さもないと、変な人に狙われやすくなり、危険度が格段に上がります。自分の身は、自分でしっかり守って下さい。

 2、乗り換え杯争奪 大マラソン大会
 これは、乗り換え列車を目指して大勢で全力ダッシュする様子を表しています。接続時間が短い時に行われ、勝者には『乗り換えに成功し、目的の列車に乗車した』という豪華商品が贈られます。しかし敗者には『乗り換えに失敗し、予定の変更を余儀なくされた』という事実だけが残ります。
 勝つためには、まわりに衝突しないように走ることが出来、的確に目的の列車に到達する能力が求められます。しかしそれ以前に、足の速さという武器がなければ、レースに参加することすら出来ません。つまり、強く、速く走った者だけが、乗り換えに成功するというわけです。
 まぁ、目的の列車には、車掌の案内放送をよく聞いて、案内表示に従って移動すれば到達できるでしょう。重要なのは、足の速さと、衝突を回避するための素早さ、つまり運動神経です。
 普通程度に走れる人であれば、乗り換え杯争奪に勝つだけの運動神経はあります。要は、動きやすい服装をすることが大切なのです。
 まず注意すべきは、靴でしょう。ハイヒールや下駄は避けた方が宜しい。ハイヒールは足に負担がかかるため(外反母趾が続出しているでしょう)、歩くだけで大変です。下駄も走るのには適しません。どうしてもと言うのなら、走らなくてもいいように、接続時間に余裕を持たせることです。
 運動靴でも、旅行には履き慣れた靴を履いて行くのは常識ですね。
 次に注意することは、服が体の動きを妨げないかどうか、ということです。冬でも厚着は避けましょう。また、丈の長いスカートも動きを妨げます。

 ちなみに『ムーンライトながら』からの乗り換えマラソン(こちらは座席をかけてのマラソン大会)が大規模に行われている東海道本線の大垣駅では、地元利用者の苦情が相次いでいるため、構内の制限速度が10km/h(早足で歩くより、若干速い速度)に定められています。これを越えると駅員に怒られますので、程々にしましょう。他の駅でも、全力疾走すると危険ですので、程々にして下さい。

 以上、服装について述べました。つまり鉄道旅行に適した服装とは、簡単なスポーツが出来るくらいの動きやすい服装で、気温の変化に柔軟に対応できるもの、ということになるでしょう。お洒落よりも機能性を重視することが大切です。


 便利なアイテム
 冒険を手助けしてくれるアイテムたちを紹介します。

 1、回復アイテム
 たとえ旅行中であっても、いや旅行中だからこそ、風邪をひいたり、お腹をこわしたり、ケガをすることがあります。そうなったときに困らないように、必要最低限の薬は持っていきましょう。
 飲み薬は、カプセルや錠剤を選ぶといいと思います。なぜなら、走行中の車内は揺れるし、ホームは風が吹いているから。粉薬は口から外れる格率が高いですし、風に飛んでいってしまいます。それに粉薬は薬本体の味がわかるので、まずい薬だった場合、あまりのまずさに吐き戻さないとも限りません。

 旅行中の腹痛では、私の経験から言いますと、胃痛より下痢の方が辛いです。何年か前に後輩と、東京から中央本線・鹿児島本線・肥薩線経由で鹿児島まで行ったことがあるのですが、下痢を抱えたまま出発してしまい、揺れる和式トイレへ何回も通うハメになりました。それで、京都駅でムーンライト九州に乗り換える際、たっぷりある接続時間を利用して駅の地下街にある薬屋に行き、医者が処方するような強力な薬を売ってもらいました。結局下痢が治ったのは、九州に入ってからでした。トイレのない車輌だったら、と思うと、ゾッとします。

 どうです?現実は厳しいでしょう。もうひとつ、大変な話をしましょう。
 腹痛に並んで大変なのは、遭遇する格率から言って、かゆみではないでしょうか。かゆみの原因はアレルギーによるものから虫さされまで様々ですが、旅行中に発生するかゆみで一番多いのは、虫さされと、長時間衣類で体を締め付けていることによるかぶれです。どちらも不快なことこの上ないですね。かといって、かいてしまうと傷になり、もっとかくと皮膚が茶色くなって、ボロボロ剥がれてきます。そうなると、場所によっては治るまで一年くらいかかってしまいます。しかも無意識のうちにかいてしまっていることが多いです。
 どうです?かゆみって、なかなか恐ろしいでしょう。これを避けるには、やっぱりかゆみ止めの一本は持って行くべきです。

 擦り傷や切り傷になった時は、皆さんはとりあえず絆創膏(ばんそうこう)を貼るでしょう。絆創膏は傷口が乾かないから嫌だ、と言う人がいるかも知れませんが、絆創膏の効果は、傷口を塞いでばい菌が入らないようにする、という医学的なものだけではありません。実は、まわりに血をなすりつけないようにするという、迷惑防止効果もあるんです。人造物に付いた血は、一度乾くとなかなかとれません。ですから出血した時は、かさぶたが出来るまででいいですから、絆創膏を貼るようにして下さい。

 ケガや病気にならないように注意するのは当然ですが、もしなってしまった場合、対処法がないと大変です。そうならないためにも、ぜひ回復アイテムを用意しておきましょう。
 でも、回復アイテムで回復しそうにない時は、無理をしないで、最寄りの病院へ行って診てもらいましょう。それに備えて、保険証も忘れずに持っていきましょう。
 
 2、生活アイテム
 旅行中でも、場所がいつもと違うだけで、生活していることには変わりありません。ですから、生活で一番お世話になっているであろう、歯磨きセットとトイレットペーパーを持っていくことをお勧めします。
 歯磨きセットなんて、宿屋にあるじゃないか、と言う方もいるでしょう。でも夜行列車に乗っているときはどうするんですか?一日中ずっと歯磨きをしないのでしょうか。まぁ、何も食べないから、と言う人ならそれでもいいでしょう。でも通常は、朝と夜くらいは何か食べるでしょう。夜行列車には立派な洗面所が付いているのですから、大いに利用しましょう(でも化粧で長時間占領するのは、ダメ)。

 トイレットペーパーは何のために持っていくのかというと、駅のトイレの『個室』を利用するためです。というのも、ほとんどの駅のトイレにはトイレットペーパーが設置されておらず、ポケットティッシュを使うことになるからです。でもトイレットペーパー1個あれば、ポケットティッシュを浪費せずに済むし、1ロールで60mくらいの長さがあるので、通常は残量を気にする必要もありません。水に弱いので、持ち運びの際はビニール袋に入れておくといいです。

 3、アイテムの詰め方
 頻繁に取り出すのは上に、宿屋でしか取り出さないのは底に入れるのは常識ですね。そうすることで、荷物の取り扱いが楽になります。
 頻繁に使うものは何か。それは、生活アイテムと回復アイテム、撮影用のフィルムです。歯磨きセットは夜行列車でも使うでしょう。さらに、もっとよく使う、というよりすぐに取り出せなければ困るのは、トイレットペーパー。ですからトイレットペーパーを一番上に、そのすぐ下に歯磨きセットと撮影用フィルム、歯磨きセットのすぐ下に回復アイテム、という感じで入れていきましょう。ただ、蓋の閉まるポケットがあるなら、トイレットペーパーと撮影用フィルムはそのポケットに入れておくといいです。
 そして一番底に入れるのは、衣類ですね。撮影済みのフィルムもここに入れておけば、落とす心配がなくなります。
 つまりバッグには、衣類→回復アイテム→歯磨きセット→トイレットペーパーの順に入れていくことになります。

 まぁ、ここまではいいでしょう。しかし最後の問題は、バッグ選びです。バッグなんて、適度な大きさがあればいいではないか、と思うでしょう。でもバッグの形状は千差万別ですし、特に夜行快速列車の網棚は荷物でいっぱいになります。つまり、バッグ選びも、鉄道旅行を快適にするための戦略の1つなのです。

 では、鉄道旅行にはどのようなバッグが適しているのでしょうか。 
 まず、サイズがコンパクトなことです。と言うのも、旅行者と言えどもラッシュアワーに巻き込まれることがありますし、列車の網棚が荷物でいっぱいになって置き場がなくなった時は、自分の座席の足下に置くことになるからです。大きいサイズなら引っかかったりして大変ですし、スペースもとります。他人にも迷惑をかけます。従って、運動部の遠征なんかでよく使われる、ドラム缶のような形をした通称『ドラム缶バッグ』は明らかにNGです。
 次に、背負っていても両手が自由に使える物、つまりリュックサックです。両手が自由に使えれば、写真撮影も素早くできますし、腕も楽でしょう。それに背中でのバランスもとれているので、走るのも楽です。乗り換え杯争奪大マラソン大会では勝負を有利に展開できます。但し、車内で立つ時は足下の床に置くか、両手で抱えるのがマナーです。背負ったまま立っていると、後ろの人にぶつかったりして、迷惑です。


 以上、アイテム編を終わらせたいと思います。これ以外にも便利なアイテムがあれば、ぜひ教えて下さい。


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