E501系


柏駅に進入するE501系。2002年撮影。
 




 常磐線の上野〜取手間は直流ですが、取手以北は交流になっています。E501系はその交流区間にも乗り入れが出来る4ドア通勤車として登場しました。
 東京のベッドタウンは郊外へ郊外へと拡大し、それに伴って通勤ラッシュの範囲も広がっています。通勤ラッシュを効率よくさばける通勤型電車の需要は増すばかりです。
 常磐線沿線のベッドタウンは、取手以北の交流区間にまで進出しています。ところが在来の通勤型電車は大都市圏の直流区間のみの走行を想定した作りになっているので、おしなべて直流専用車両ばかりです。交直両用化するには車両に変電設備を搭載しなければなりませんが、変電設備は重量が重い上にコストもかかり、車輌の強度等の面から見てもなかなか搭載できる状態ではありませんでした。
 かといって、取手以北を直流化することも出来ません。つくばに地磁気観測所があり、その観測に支障が出るからです。
 そこで415系など在来の近郊形電車を通勤仕様(ロングシート化)にして対応しましたが、3ドアではスムーズな乗り降りにはやや難があります。そこで初期の老朽化した在来近郊形電車の置き換えも兼ねて、JR東日本が登場させたのがこのE501系電車です。
 この電車は、開発当時最新鋭だった209系通勤型電車に、変電設備を搭載した構造になっています。通勤用という位置づけのため、トイレの設備が作られませんでした。

 しかし、常磐線の中距離電車に新形車両のE531系が導入されたので、E501系は土浦〜いわき間と、水戸線へ転属していきました。2007年2月にトイレの取り付けが完了し、同年2月21日に上野〜土浦間から撤退しました。

 先ほど、E501系を通勤車と言いましたが、実は近郊形電車に分類されているそうです。いやはや、最近の電車は本当に、ややこしや〜、ややこしや〜。





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