211系
 


 111系・113系115系を置き換えるために、国鉄最末期の1986(昭和61)年に登場した近郊形電車です。東海道本線と高崎線、東北本線の直流区間から投入が始まりました。
 次世代の近郊形電車として期待されたためにセミクロスシート車が用意されましたが、沿線の宅地開発が進み通勤ラッシュが激化していたので、通勤形電車としての役割も持たせるためにオールロングシート車も用意されました。さらに東海道本線用にはグリーン車も用意され、近郊形電車としては初の二階建てグリーン車も導入されました。
 JRになった後も製造が続けられましたが、おしなべてオールロングシート車ばかりが製造されたため、セミクロスシート車に遭遇する確率はかなり低いものとなっています。
 
 東海道本線用と高崎・東北線用は若干仕様が異なるため、それぞれ製造番号が分けられました。東海道本線用はセミクロスシート車が0番台、オールロングシート車が2000番台。高崎・東北線用はセミクロスシ−ト車が1000番台、オールロングシート車が3000番台になっています。
 1000番台と3000番台は気温が低くて雪の降る地域にも乗り入れるため、寒さに強く、ドアも半自動ドアに出来る装置が付いていて、ドアの脇に開閉ボタンが付いています。

 さらにJR東海では、東海道本線や御殿場線、中央本線(中央西線)などの列車を増やすため、2両から柔軟に編成を組めるオールロングシート車5000番台のグループが大量に製造されました。特に東海道本線と御殿場線を走る車輌には、トイレがありません。さらにその後に登場した311系や313系とも編成を組めるようになっています。

 現在は、0番台と2000番台が東海道本線。1000番台と3000番台が東北・高崎・上越線(上越線は水上まで)と、信越本線の高崎〜横川間、湘南新宿ラインと東海道本線の一部で活躍しています。
 さらに高崎線と東北本線、湘南新宿ラインにE231系が大量に投入され、グリーン車が連結されたことから、同線の211系にもグリーン車が連結されました。その時211系は編成の組み替えが行われ、中途半端に余ってしまったサハ(運転台のない付随車)などから30両程度の廃車が発生しました。また編成ごと余ってしまったものは千葉県の113系を置き換えるのに回されて、帯の色も変えられました。

 5000番台のグループは、東海道本線のJR東海区間、御殿場線、中央本線の名古屋〜南木曾間で活躍しています。


 


↑東京駅で発車を待つ211系0番台。


↑中央本線中津川駅で休憩する5000番台。


↑E231系に高崎線・東北本線を追われ、房総半島に流れ着いた211系3000番台。
2006年9月10日、成田駅で撮影。


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