167系



品川駅で撮影した、167系湘南色による臨時大垣夜行。2002年頃の撮影。
 


167系は、修学旅行用の電車として作られました。
性能は165系と同じなため、一緒に連結することも可能です。しかし、167系は途中駅での乗り降りの頻度が少ない修学旅行の輸送を前提に作られたので、165系よりも乗降用ドアの幅が狭くなっています。また、編成もクハ167+モハ166+モハ167+クハ167の4両編成が基本で、グリーン車と食堂車の設定はありません。

修学旅行の需要が少ないシーズンには、急行の臨時増発列車にも使用されました。中には東京から下関まで直通運転したこともあり、これは電車を使用した急行としては、日本一の距離だそうです(その記録は、今でも破られていません)。

しかし、修学旅行の交通手段が次第に新幹線や飛行機に移り、本来の役目をこなす機会が減少した167系は、混雑する時期の臨時増発列車に使用されることが多くなります。
当初は黄色と朱色の塗り分け、通称“修学旅行色”だった車体色も、増発列車への使用頻度の増加に伴って、次第に165系と同様の湘南色に塗り変えられていきました。また、塗色変更と前後して、サービスアップのために冷房化も行われました。

JRになってからは、旅客のニーズに即したより良いサービスを提供できるよう、座席をリクライニングシートに交換し、合わせて車体の色を変えてイメージアップを図った車輌も現れました。
後述する『田町色』もそのひとつです。
しかし2003年6月頃、老朽化のために全車引退しました。

写真の車輌はクハ167の初号車で、先頭部のレプリカが大宮の鉄道博物館に展示されています。
下の写真は、そのレプリカです。

 

交通博物館に展示されていた、クハ167-1の先頭部分の複製。






167系田町色 2003年3月25日撮影、品川駅にて。
 


修学旅行生を運ぶという本来の仕事がほとんどなくなり、湘南色に衣替えして臨時列車という新たな職を得た167系。そして、より質の高いサービスを提供するために、座席をリクライニングシートに改め、写真の塗装に変えた仲間が現れました。
この塗色は田町電車区に所属していた車輌に施されたため、『田町色』と呼ばれます。
2003年6月頃に全車引退。
現在は、特急あずさの新型車両投入で余った183系と189系が、後継ぎとして働いています。
写真は、最後の青春18きっぷシーズンを迎えた臨時大垣夜行です。


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