115系


中央本線を走る、スカ色の115系。
 


中央本線(中央東線)の中距離電車といえば、この電車……なのかも知れませんが、塗装変更が進んで、この塗装の115系は少なくなりました。
JR東日本の115系は現在、中央本線の立川〜塩尻間、大糸線、白新線、越後線、篠ノ井線、信越本線、上越線、両毛線、東北本線の小山〜黒磯間、羽越本線の新潟〜村上間で活躍しています。また、臨時列車で東北本線〜武蔵野線〜横須賀線を走ることがあります。




 

JR東海の115系
 

最初に作られたグループ(0番台)は、ヘッドライトが大型でした。
しかし、改造や廃車で数が減り、特に湘南色の車輌は写真の車輌が最後となりました。しかし、同車は2007年3月17日に引退してしまい、今ではもう見ることが出来ません。
写真は2003年4月に沼津駅で撮影した、御殿場線の普通列車。



 

2004年、岡山駅で撮影
下関〜岡山にかけての山陽本線で活躍する、115系瀬戸内色。
写真の先頭車両は600番台で、分散型クーラーを搭載した特異車輌です。




2004年、岡山駅で撮影
岡山の115系には、黄色い塗装で金比羅宮をアピールしている車輌もいました。
瀬戸大橋を渡って四国に乗り入れた他、赤穂線などでも活躍しました。現在は湘南色に戻っています。




備中高梁駅で撮影
2両編成で走れるように改造され、ワンマン運転対応になった115系。

 

主に伯備線で運転され、中には山陰本線の出雲市駅まで乗り入れるのもいます。
特に伯備線の新見以北では、定期の普通列車は専らこの車輌で運転され(気動車の普通列車もあります)、湘南色の車輌は原則として乗り入れません。
冬、雪が降っても大丈夫なよう、寒さと雪に強い1000番台から改造されています。パンタグラフが2基ついていますが、片方は架線に付いた霜を取るための物です。
車内は従来の115系と同じ、セミクロスシートです。




 


115系の車内。(写真は岡山の300番台・湘南色車輌)




クモハ115-13
 

0番台の車輌は、先頭車が中間に組み込まれた時、写真のように乗務員室の一部が客室になる構造を持っていました。
こうすることで乗車定員が増し、中間車としても、より使いやすくなります。
写真は、中央本線のクモハ115-13の車内を1999年11月に撮影したものですが、撮影の数年後にこの車輌は引退しました。



 


山陽本線中庄〜倉敷間で撮影した、115系3000番台広島快速色。2005年5月撮影。

 

115系3000番台は2ドアであることが大きな特徴です。
3000番台は広島の車両ですが、快速シティーライナーとして、岡山〜広島間を直通運転する列車に使われます。中には、岡山〜下関間を直通運転する列車もあります。
登場時はクリーム色に青い帯を巻いた『瀬戸内色』でしたが、1990年代前半から写真の塗装に変わりました。
現在は順次車体のN40化更新工事が行われ、広島にいる他の115系のN40化工事施行車と同じ塗装に変えられています。

なお、山陽本線の普通列車では、3000番台以外にも多数の115系が使われています。これは広島県の瀬野駅〜八本松駅間(通称『セノハチ』)に最大22パーミルにもなる急勾配があるためで、抑速ブレーキの付いている115系が最適だと考えられたからでした。




 

モハ115-3511
2001年8月に、備中高梁駅で撮影した115系3500番台。
 


117系の中間電動車モハ116形・モハ117形を改造・塗装変更して登場した車両です。しかし、117系の動力車は115系を基本とした作りになっているので、改造はほぼ塗装変更だけで済んだそうです。
広島と岡山に在籍しており、写真の湘南色の車両は岡山にいます。また、岡山の車両は、先頭車には通常の3ドアの115系(300番台や1000番台)が使われ、ひとつの編成の中で座席の質が異なります。



 

モハ115-3511の車内
115系3500番台の車内です。
 


115系3000番台と3500番台は、クロスシートに転換クロスシートが使われています。




115系は勾配のきつい山岳路線用に、113系のモーター出力・耐雪機能増強版として1963年に登場しました。113系と同様の3ドア車で、車内は4人掛けボックスシートとロングシートの両方を備えたセミクロスシートです。グリーン車の設定はありません。
ローカル線で短い編成を組むのに不自由しないよう、先頭動力車のクモハも用意され、最短は3両、最長は15両まで、柔軟な編成を組めるようになっています。
上越線、東北本線、高崎線、中央本線、信越本線、御殿場線、身延線、大糸線、伯備線、山陽本線などに投入され、それまで活躍していた客車列車や旧形国電を次々と置き換えていきました。
使いやすいせいか約20年間にもわたって製造が続けられ、その間に少しずつ改良されて、いろいろなバリエーションが登場しました。
例えば1000番台は従来の115系よりも座席の前後間隔が広げられ、動力車には冷却用の空気に雪が混じらないようにする『雪切り室』を備えています(そのため車輌の端にはボックスシートを設置する場所がなく、その部分だけロングシートになっています)。上信越地区などの豪雪地帯で大活躍した他、雪のほとんど降らない山陽本線や赤穂線、高崎線にも投入されました。
また、山陽本線の主に岡山〜下関間で活躍している3000番台は、老朽化した153系(直流急行形電車)や111系を置き換える目的で1982年に登場しました。この車輌は115系唯一の2ドア車で、転換クロスシートとロングシートの両方を備えています。さらにJRになった後は、京阪神地区への221系の投入で余りが出た117系の中間車を、115系の中間車に転用して3500番台が登場しました。

現在はJR東日本とJR東海を中心に新形車両への交代が進み、上野駅と湘南新宿ラインへの乗り入れはなくなりました。また、高崎線や御殿場線、東海道・山陽本線の熱海〜姫路間からも撤退しました。
一方、JR西日本では寿命を延ばす改造を施し、合わせて塗色デザインの変更と座席の転換クロスシート化が随時行われています。また、2両編成から編成を組めるように改造された車輌も登場しました。
まだまだ活躍を続ける115系ですが、湘南色とスカ色の115系は数を減らしつつあります。





 

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