113系



↑湘南色の113系(東京駅)
 


 東海道本線でごく普通に見られた湘南色の113系。少数ですが山陽本線でも活躍していました。
 現在は草津〜尼崎間を除き、東海道本線からは撤退していますが、草津線、福知山線、山陰本線京都口での活躍が見られます。また、稀に瀬戸大橋線や山陽本線でも見られる場合があります。 

 ちなみに、クハ111の1番は佐久間レールパークに静態保存、モハユニットのモハ113とモハ112の1番はJR西日本に所属し、時速110km運転対応工事が為されて5001番台になりました(東海道・山陽本線の近畿圏での113系の運行廃止により、残念ながら5001番は廃車になりました)。



 

サロ110 1256


↑113系のグリーン車、サロ110形と、その車内。


総武・横須賀線、東海道本線の東京〜熱海間と伊東線、及び関西圏で見られましたが、いずれもグリーン車の廃止や新形車両との交代が行われ、このグリーン車は運転を終了しました。



 


↑本州の西端、下関に現れた湘南色の113系。東京駅からの距離は実に1095.9km。

 

写真のクハ111-5128番は1966(昭和41)年8月に製造された車輌で、128番として落成しました。最初は大船電車区(現在の鎌倉車両センター)に配置されたので、東京駅にも乗り入れたことがあると思われます。
1970年代中頃に関西地区に移籍し、JRになった後の1992年には、最高速度を10km/h引き上げるための改造が施されて5000番台になりました。
最後は網干に配置され、2002年2月15日付で廃車になりました。


 




↑最初に作られたグループは、ヘッドライトが大型でした。
(2001年3月27日、琴平駅で撮影)



↑東海道本線で京都駅に乗り入れていた113系。(2000年3月撮影)

 

写真の車輌はJR西日本の延命改良工事『N40化工事』が施工された、いわゆる“スーパー113系”で、車内は転換クロスシートになっています。
 





↑成田駅で発車を待つ、スカ色の113系。


総武快速線と横須賀線で東京駅に乗り入れ、さらには関西の新快速でも大活躍したこともあるスカ色の113系。しかし現在は平日と土曜日に1往復が新聞輸送で両国駅に乗り入れる他は、房総半島内と茨城県南部で活躍するのみとなってしまいました。さらに東海道本線東京口からの113系撤退によって、この新聞輸送列車が東京都内に乗り入れる唯一の113系になっています。
写真は2006年4月に撮影したものです。向かって右の編成は、東海道本線から転属した2000番台で、元々は湘南色をまとっていました。



 


 

↑2006年3月17日の23時13分、東海道本線東京口最後の113系が、東京駅を出発しました。




113系は1963(昭和38)年、111系の出力増強版として登場しました。しかし、主電動機のない車輌(制御付随車のクハなど)は出力の上げようがないので、そのまま111系として追加されました。
通勤輸送と長距離輸送、両方を担う近郊形電車なので、普通車の車内は4人掛けボックスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシートになっています。但し、東京駅に乗り入れる車両については、ラッシュ対策としてオールロングシートに改造された車輌も存在します。
また、製造時期によって細かな違いがあるのも特徴です。例えば先頭車を見てみると、初期の車両はヘッドライトが大型ですし、窓の縁も丸くなっています。
一方、最後の方に登場した1500番台と2000番台は、ヘッドライトはシールドビームと呼ばれる小形のものが装備され、窓の縁はきれいな直角をしています(工期短縮のため、填め込み式のユニット窓になったため)。従来の113系よりも座席の前後間隔が広げられ、側窓の配置も若干異なります。更に1500番台は横須賀線向けで東京駅の長い地下トンネルを走るため、不燃性・難燃性が強化されています。

113系は、東海道・山陽本線を始め、横須賀・総武快速線や中央本線の名古屋口、山陰本線の京都口、福知山線、阪和線などに導入されて、一時は関西の新快速にも使用されました。塗装も湘南色だけではなく、スカ色や阪和色など様々なものが用意されました。
また、グリーン車も用意され、東海道本線の東京口や関西圏、宇野線、総武・横須賀線に投入されました。中には特急形電車や急行形電車を改造してグリーン車に充てた車両もいました。

113系は、主に平地を走る標準直流近郊形電車として大量に製作されました。しかし現在は新形車両との交代が進み、活躍の場は年々減ってきています。横須賀線では既に絶滅しましたし、東海道本線でも、2006年3月17日を最後に東京駅から姿を消しました。熱海〜豊橋間で活躍を続けていた仲間も、2007年3月17日を最後に引退しました。
一方、JR西日本では車体の延命改良工事(N40工事)を行い、車体の塗色を変えると共に、座席を転換クロスシートに交換してグレードアップした車両もいます。
福知山線を走る車輌が大阪〜尼崎間を、湖西線を走る車輌が山科〜京都間を、草津線を走る車輌が草津〜京都間を東海道本線に乗り入れますが、これらが東海道本線を定期列車として走る唯一の113系になっています。


 

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