第四章 旅行は楽しいな

 夜行快速は豪華
 夜行快速は豪華なんですよ。どのへんが豪華なのかというと、車輌。特急形の車輌が使われます。特急形なのでリクライニングシートが完備されています。
 
現在設定されている夜行快速を、私のわかる範囲で一覧表にしてみましたので、ぜひご覧下さい(車輌や設備は、変更になることがありますのでご注意下さい)。



                    夜行快速列車一覧
 
列車名 走行区間 使用車輌 座席 その他の車内設備
 
ムーンライトえちご 新宿〜新潟 183系電車 リクライニングシート 女性専用席 臨時
 
ムーンライトながら 東京〜大垣 189系電車 リクライニングシート
 
臨時
 


↑現在、運転日数の多い夜行快速は、この2本だけです。
もともとどちらも定期列車でしたが、青春18きっぷのシーズン中だけ運転される、臨時列車に格下げされてしまいました。


 消費したヒットポイント(体力)は、どうやって回復するか
 旅行中の鉄道ファンは常に過労の状態にあるわけでして、体力は常に奪われています。回復せずに放っておいたなら、いつか過労死してしまいます(まぁほとんどは、自覚症状が出る前に自宅に帰るでしょうけどね)。それでなくても、体力が減れば身体能力や思考能力が低下して、フルパワーが出せなくなります。そうなったら、睡魔との戦いに明け暮れることになって目的の達成もままならなくなるので、せっかくの旅行が苦痛になってしまうでしょう。
 
 では、体力の回復にはどのような方法があるのでしょうか。まずは、宿屋に泊まることです。入浴して体をすっきりさせて、きちんとした夕食を摂ってから寝床に入れば、翌朝あなたの体力は全快していることでしょう。それでも、夜遅く着いて朝早く出るようなことをしていれば、睡眠時間が少なくなるので、効果はあまり期待できないでしょう。午後6時くらいに宿に入り、翌朝は8時半頃に出発するのが、一番合理的で体力が回復する宿屋の利用法ではないでしょうか。
 
 しかし、特に青春18きっぷを使っての旅行者、俗称『青春18族』は費用や時間の制約が大きいので、宿屋にはそうそう泊まれるものではありません。彼らが一番よく利用する宿泊施設は、何と言っても夜行列車です。
 夜行列車でも、熟睡できればかなり回復します(宿屋ほどではありませんが)。もちろん寝台車が一番回復できるのですが、青春18きっぷでは夜行快速の普通車しか乗れません。座席車の熟睡法は、第三章の『冒険者は眠れない』のところで紹介してありますので、まだ読んでいない人は一度目を通しておきましょう。
 
 ちなみに一番回復しないのは、昼寝です。これはいくらやっても効果は出ません。逆に眠くなったり、夜になって目が覚めたりするので、かえって体力を消耗します。

 青春18きっぷの旅行者でも、2日に一度くらいはのんびりと宿屋に泊まって、体力を回復させたいものです。


 食糧獲得作戦
 鉄道旅行中の食べ物=駅弁。
 鉄道旅行の楽しみ=景色を見ながら食べる駅弁。
 そう思っている人は多いでしょう。確かに、鉄道に長時間乗って遠くに出かける時には、駅弁を買って、車内で食べたものでした。ですが、これは昔の話になってしまいました。と言うのも、駅弁の入手が困難になってしまったからです。
 昔は、特急などの優等列車の他に、普通列車でも長距離を走るものには車内販売が乗っていました。ある本には、「昼時に京阪神の新快速(117系)に乗っていたら、車内販売のワゴンが現れてビックリした」という投書が載っていました。それに車内販売が乗っていなくても、ホームには駅弁の売り子が歩いていたので、車外へ出ることなく駅弁を買えました。売り子がいなくても、特に普通列車は長時間停車を頻繁にしていましたから、ホームで駅弁を買う時間もたっぷりありました。
 しかし現在は、車内販売があるのは新幹線を含めた昼行特急列車と、一部の寝台特急だけです。駅弁売りもほとんどいないので、車内から直接駅弁を買うことは出来ません。
 ではホームやコンコース内の店で買えばいいと思うかもしれませんが、ホーム上で駅弁を扱う売店は減っているし、普通列車の長距離利用者は運転本数の少ない短距離列車を短い接続時間で乗り継がなければならなず、着席を優先させる(短編成化で座席数は減る傾向にあります)と、コンコースまで駅弁を買いに行く暇はありません。仮に買えたとしても、現在は普通列車での車内飲食に対する目が非常に厳しくなってきています。
 よって、鉄道旅行中の食糧事情は、昔より悪化していると言えます。特に青春18きっぷを使っての旅行者の食糧事情はかなり悪いです。

 では、青春18族の人たちは、食事をどのようにしているのでしょうか。
 まず一番手軽なのは、立ち食いそば・うどんのお店で食べることです。立ったまま食べられますし、容器などのゴミを出さずに済みます。値段もお手頃ですし、熱いのが苦手な人には、おにぎりなどの選択肢もあります。立ち食いそば・うどんは地域によって個性がありますし、何よりもファーストフード店に匹敵するスピードで品が出されるのは、忙しい旅行者には大きな魅力です。
 次に、接続時間が1時間以上ある場合なんかは、駅前のレストランや喫茶店で食事をすることもあります。座って落ち着いて食べられますし、選択肢の広さも魅力です。街の中を歩くのは、いい気分転換にもなります。
 夜行列車が30分くらい停車する時には、駅前のコンビニでお弁当を買ってくることもあります。深夜や早朝は、ホームの駅弁屋や立ち食いそば屋が営業していないからです。

 共通することは、接続時間がある時までひたすら我慢する、ということです。

 どうしても我慢できない人は、スナック菓子などを予め用意して、それでしのぐこともあります。

 


 そんなわけで、鉄道ファンは、駅弁好きでない限り、駅弁をあまり食べないようです。

 ちなみに飲み物ですが、ペットボトル入りを買うことをお勧めします。ペットボトルなら蓋を閉められるので、好きな時に好きな量だけ飲むことが出来るからです。中身は、炭酸が強いものは、空腹時に飲むと胃に悪いので、避けた方がいい。同様に、糖分の多いものはかえって喉が渇きます。お茶か、スポーツドリンクがいいと思います。

 さて、食糧がどうしても確保できなかった場合はどうしましょうか。そんな時は、仕方がないので、断食しちゃいましょう。朝食と夕食をしっかり食べておけば、昼食を抜いても大丈夫。2日目くらいからはすっかりそれに慣れて、あまり空腹を感じなくなります。そうなったらしめたもので、食糧を確保する手間が省けます。ただし、あまり体には良くないので、旅行が済んだら必ず元の食生活に戻しましょう。


 

 おみやげを買うポイント
 旅行が少しでも楽になるように荷物をまとめても、おみやげがかさばっては何にもなりません。ですから、かさばらないおみやげの買い方を、ここで見ていきましょう。
 かさばらないおみやげと言えば、何と言っても大きさが小さいものです。小さいもの少数ならリュックサックに入るので、袋を別に手に持つ必要がなくなって、手が自由に使えます。
 しかし、なかなかそう理想的にならないのが現実。近所へのおすそ分けを要請されることもあるでしょうし、友人や会社の同僚へのおみやげも買わなければならないこともあるでしょう。だからたとえ小さなものであっても、ちりも積もってかさが増え、結局はリュックサックに入らなくなります。
 そんな時は、宅急便で自宅へ送りましょう。実際、おみやげ屋さんの大部分は自宅配送をしてくれますし、近くにコンビニがあれば、不要になった荷物ごと自宅へ送ることもできます。コンビニを利用する時は、近くの商店で段ボール箱を貰ってくるといいでしょう。
 また、最後の日に立ち寄った街でおみやげを買うのも手です。1日だけなら、多少かさばっても我慢できるでしょう。



                                    第五章に進む

                                       戻る




 

 

inserted by FC2 system